【自動運転】ドライバーレス革命|完全自動運転社会、来ます。
「ドライバーレス革命」の紹介です。
ドライバーレスカー(完全自動運転車)は実現するのか?実現したら、世界はどう変わるのか?という疑問に対し、人工知能の専門家と著述家のコンビが答えた本です。
本書は、とても読みやすい本だと感じました。 理由は、主張に対して論拠を体系的に説明しているから。 著者の一人は、人工知能に関連する教授ということが影響しているのかもしれません。
しかし、論文のような堅苦しさはなく、科学読本(サイエンスフィクション)のように読者は妄想に更ける楽しみ方ができます。
詳細説明
動画ではお伝えできなかったことなどをこちらに記します。大部分が動画の内容と被りますが、補足説明がある部分もあります。
title:【自動運転】ドライバーレス革命|完全自動運転社会、来ます。
message:
ドライバーレス社会は来るのか?→ 来ます。
理由:「ゼロ理論」に当てはまるから。
ドライバーレス社会になったらどうなるのか?→ 4つのコストが0になります。
1. 損害
2. ドライバー
3. 時間
4. サイズ
author:
ホッド・リプソン
Name: Hod Lipson
コロンビア大学機械工学教授
イスラエル生まれ。アメリカ在住。
博士号をTechnion Israel Institute of Technologyで取得。
専門はロボット進化論、設計自動化、高速プロトタイピング(3Dプリンタなど)
論文引用数26000回、TED講演再生回数150万回ぐらい(動画公開日現在)
メルバ・カーマン
Name: Melba Kurman
著述家、テクノロジーアナリスト。ドライバーレス・カー、人工知能、3次元印刷などの革新的なテクノロジーに関する執筆・講演活動を行なっている。
Helsinki出身。
コーネル大学、University of Illinois’s I-School(大学院)学位取得。
Microsoftでの勤務経験あり。
この2人は過去に「2040年の新世界:3Dプリンタの衝撃(東洋経済新報社)」も共著している。
audience:
people who wonder if driver-less society will come and what happen then?
完全自動運転社会って来るの?来たらどうなるの?自分の生活はどうなっちゃうの?って思っている人々。
terms:
ドライバーレス社会
編集部が勝手に定義した言葉。
ドライバーレス・カーが至る所で走っている社会のこと。
ゼロ理論
「<span style="color: #ff0000">既存の産業を一変させる新興テクノロジーには、共通の特徴がある。その導入により何らかの生産コストが劇的に減少し、ほぼゼロに近くなる</span>」こと。「<span style="color: #ff0000">ゼロ理論に従うテクノロジーが数年間利用されると、当該産業に絶大な影響を及ぼし、最終的には産業革命が起きる。</span>」という理論。著者が考案。
ダ・ビンチ問題
「<span style="color: #ff0000">発明のコンセプトに問題はないものの、それに必要なテクノロジーがまだ存在しないため、実現できない状況を指す。</span>」
1493年にレオナルド・ダ・ビンチが考案したヘリコプターが典型例。
「基本構想や設計に問題があったわけではない。」
軽量で丈夫なボディーや、強力な動力源=必要なテクノロジーがなかっただけ。
point:
ドライバーレス社会は来るのか?→ 来ます。
「ゼロ理論」に当てはまるから。 ゼロに近くなるコストについては、ドライバーレス社会になったらどうなるのか?の部分で紹介。
過去に「ゼロ理論」が当てはまった例
蒸気エンジン
産業機械の導入コスト削減 → 産業革命につながった
コンピュータ
数値計算のコスト削減 → インターネット革命につながった
「ゼロ理論」が当てはまらずに流行らなかった例
セグウェイ
スティーブ・ジョブズが「PC並みの影響力を持つようになると予言」したらしい。 が、実際には倉庫内などの限定的な利用に限り、大衆への普及には至っていない。 2020年になった世界でも、、元祖セグウェイに似た、比較的大きな車輪がついているタイプは10万円弱はする。
GMの電子制御道路
ドライバーレスの構想を、1939年の万国博覧会で発表。 周囲の車を検出する機能を、車に持たせるのではなく、道路に持たせる構想で「1958年、電子制御道路の実演が行われた。」 「夢の自動運転道路が魅力を失った理由は簡単だ。コストである。」 「問題はコストだけではない。」当時のIT技術はそんなにじゃったつしていなかった。 結局は「ダ・ビンチ問題を克服できたかった。」 ゼロ理論に当てはまらなかったのだ。
ドライバーレス社会になったらどうなるのか?→ 4つのコストがほぼ0になります。
損害 自動車運転事故による直接、関節的なコストを大幅に削減する。 交通事故関係の医療にかかるコスト(米国では年間推計180億ドル) それに関連する賃金コスト(年間330億ドル) 医療、保険、臓器提供など自動車事故関連の収入に頼る産業は、大きな収入源を失うことになる。
ドライバー 「ドライバーの給与は、モノや商品の移動にかかるコストの中でもかなりの部分を占める。」 「タクシーのコストも、大半はドライバーに支払う給与である。」
時間 「運転に費やす時間という間接的コストを削減する。」 「平均的な米国人は1日におよそ3時間を運転に費やし、1年に述べ63時間も交通渋滞に捕まっている。」
サイズ 「従来の車は安全にかかわる制約があったため、サイズが大きかった。」 「ドライバーレス・カーは事故を起こす可能性がはるかに少なくなるため、車体を小型化・軽量化できる。」 「無人配送車は配送物並みの大きさがあれば十分かもしれない。」
こんなの仕事は消えます、減ります。
トラックドライバーの仕事
「2020年の米国勢調査によれば、米国にはおよそ350万人のトラックドライバーがおり、29番目に就業人口の多い職種だ。」だそう。 タクシードライバー、23万3700人の雇用も。
「自動車事故を利用したビジネス」
ドライバーレスで事故減る。 だから、これらの仕事も減る。
臓器提供業者、臓器提供者
理由は、「米国人が交通事故によるけがで入院する日数は、年間述べ100万日に及ぶ。また、米国の臓器移植のおよそ20%が、交通事故の犠牲者から提供された臓器によるもの」だから。
刑務所にいる囚人だって減る
「1997年の統計では、飲酒運転による犯罪が、入居者の7%」を占める。 ドライバーレス・カーで飲酒運転の概念がなくなれば、この分の入居者が減る。
自治体の財源も減る
交通違反の収入が減るから。 「米国だけで、スピード違反切符による罰金収入は毎年推計60億ドルに及ぶ」から。
こんな仕事は増えます。
自動車整備。
米国で73万9900人。 整備の依頼がひっきりなしになるかも。 自動車を使っていない朝方に、ディーラーのところへ自動で行って、整備を受けてもらって帰ってくる、なんてことが実現されるかも。
call to action:
本書の内容を受けて、どんな行動をすべきか、考えてみる。
受け入れよう。
編集部の感想ですが、本書を読んで、 馬車が自動車に切り替わったように、 自動車が自動運転車に切り替わる未来を感じました。
- 人間は運転が好きだから、自動運転車に乗りたい人なんか少数派だよ。
- 機会が運転する車は信じられないから乗れない。
という考えは、覆されるかもしれません。 まずは、起き得る未来を受け止めることが必要だと思います。
理解を試みよう。
受け入れることができたら、次に、事象を理解すると良さそうです。
- どんな技術で実現されるのか。
- どんな仕事が減るのか、増えるのか。
などなど、本書の紹介からも理解できる部分が少なくなかったのではないかと思います。 本質的に理解できるかどうかは別にして、まずは、理解することを試みることが必要だと思います。
理解しよう。
情報が揃い、理解する能力があれば、本質について理解するといいですね。 本質的なことを理解する能力は、いつの時代も、どんな場面も、役立つんじゃないかと思います。
行動しよう。
事象が理解できたら、自分の仕事を変えて準備をする、スキルを身につける、など行動に結びつくといいですね。逆に、行動しなければ、あまり大きな変化は起きないと思います。そして、大きな波に飲まれる一方になってしまうかもしれません。
script
本動画のスクリプトはこちらです。 「」がついている部分は、著書からの引用です。
しっタカくん(以下、鷹)
しったか貝くん(以下、貝)
鷹:ドライバーレス革命
貝:完全自動運転社会が、来ます。
鷹:おはようございます。こんにちは、こんばんは。
貝:知ったかの森チャンネルです。
鷹:しったか貝くん、今日は「ドライバーレス革命」のご紹介です。
貝:しっタカくん、自動運転に関連していそうな本だね。どんな人に向けて動画を作ったの?
鷹:今日の動画は、完全自動運転社会って来るの?来たらどうなるの?自分の生活はどうなっちゃうの?って戸惑っている人々に向けて作ったよ。
貝:編集長のことね。
鷹:そゆこと。
貝:著者はどんな人なの?
鷹:著者の1人目は、ホッド・リプソンさん。コロンビア大学機械工学教授。イスラエル生まれ。アメリカ在住。専門はロボット進化論、3Dプリンタとかなどです。TEDで講演したことがあって、動画の再生回数は150万回ぐらいだよ。
貝:2人目はどんな人?
鷹:二人目は、メルバ・カーマンさん。著述家や、テクノロジーアナリストの仕事をしていて、ドライバーレス・カー、人工知能、3次元印刷などの革新的なテクノロジーに関する執筆や講演活動を行なっているよ。フィンランドのヘルシンキ出身で、アメリカのコーネル大学とイリノイ大学のアイスクールで学位を取得している。Microsoftでの勤務経験もあるらしい。
貝:へぇぇー。二人は仲良しなのかな。
鷹:この二人は以前、別の著書も、共著で出版している。「2040年の新世界:3Dプリンタの衝撃(東洋経済新報社)」という本だ。「ドライバーレス革命」を読めばわかるけど、とても読みやすい内容なので、二人の息はぴったりあっていると思うよ。
貝:しっタカ君と、私みたいだね。
鷹:しったか貝くんのこと、食べたりしないもんね。
貝:安心しました。それでは、本の内容に移りましょう。
鷹:この動画では、ドライバーレス社会は本当に到来するのか、来たらどのような影響があるのか、本書の内容を参考に、紹介していくよ。
貝:よろしく頼む。
鷹:よろしく頼まれる。
貝:いきなり本題ですが、ドライバーレス社会は、来るのでしょうか?
鷹:はい、来ます。
貝:即答ですね。
鷹:理由もちゃんとあるよ。
貝:どんな理由?
鷹:「ゼロ理論」が当てはまるから。
貝:「ゼロ理論」って何ですか?ホリエモンですか?
鷹:いいえ、違います。「ゼロ理論」は、著者が考案した理論だよ。「既存の産業を一変させる新興テクノロジーには、共通の特徴がある。その導入で、何らかの生産コストが劇的に減少し、ほぼゼロに近くなる」こと、を意味します。
貝:破壊的な匂いがする。
鷹:さらには、「ゼロ理論に従うテクノロジーが数年間利用されると、当該産業に絶大な影響を及ぼし、最終的には産業革命が起きる。」と、著者は言っているよ。
貝:影響がすごい大きそう。
鷹:本書では、ドライバーレスカー、つまり完全自動運転しゃが、「ゼロ理論」に当てはまると言っている。
貝:そーかー。でもまだピンとこない。過去に「ゼロ理論」に当てはまった例はある?
鷹:あるよ。例えば、蒸気エンジンとコンピュータが例としてあげられる。蒸気エンジンは産業機械の導入コストの削減に貢献して産業革命につながったし、コンピューターは数値計算のコストを削減して、インターネット革命につながったよ。
貝:今では当たり前になったものが「ゼロ理論」に当てはまっていたんだね。
鷹:逆に、「ゼロ理論」に当てはまらなかった例もある。
貝:例えば?
鷹:それは、セグウェイと「GMの電子制御道路」だ。セグウェイは、あのスティーブ・ジョブズが「PC並みの影響力を持つようになると予言」したにも関わらず、実際には倉庫内などでのの限定的な利用に限り、大衆への普及には至っていない。
貝:たしかに、あったら面白そうだけど、高そう。
鷹:2020年になった現在でも、元祖セグウェイに似た比較的大きな車輪がついているタイプは10万円弱はする。
貝:タカだけにおタカいぃぃー。
鷹:「GMの電子制御道路」も、例としてあげられる。周囲の車を検出する機能を、車に持たせるのではなく、道路に持たせる構想で「1958年、電子制御道路の実演が行われた。」が、コストが原因で普及しなかった。
貝:おタカいものは普及しないんだね。でも、ドライバーレス・カーが普及すると、どんなコストが下がるのか、なんか想像できない。
鷹:4つのコストが0になります。
貝:4つのコストですか。
鷹:はい。損害、ドライバー、時間、サイズの4つのコストが減ります。
貝:1つひとつ詳しく頼む。
鷹:まずは、損害のコストを減らすことができる。ドライバーレス・カーは、自動車運転事故による直接、関節的なコストを大幅に削減すると考えられる。交通事故関係の医療にかかるコストは米国では年間推計180億ドル。それに関連する賃金コストは年間330億ドルだと、紹介されているよ。
貝:事故が減ると、最大で5兆円ぐらいのコスト削減効果があるんだ。
鷹:次に、ドライバーのコストを減らすことができる。「ドライバーの給与は、モノや商品の移動にかかるコストの中でもかなりの部分を占める。」「タクシーのコストも、大半はドライバーに支払う給与である。」と考えられている。
貝:ヒトってお金かかるんだね。
鷹:また、時間のコストも減らせる。「平均的な米国人は1日におよそ3時間を運転に費やし、1年に述べ63時間も交通渋滞に捕まっている。」らしい。
貝:たしかにアメリカ人は長い時間、車に乗ってるイメージあるなぁ。
鷹:最後に、サイズのコストを減らせる。「従来の車は安全にかかわる制約があったため、サイズが大きかった。」「ドライバーレス・カーは事故を起こす可能性がはるかに少なくなるため、車体を小型化・軽量化できる。」と、著者は述べている。
貝:こんなにコスト減らせるんだぁ。じゃあ社会にとってはいいことばかりだね!!
鷹:いいえ。いいことばかりではありません。こんな仕事は消えます、減ります。
貝:え、どんな仕事ですか。。。
鷹:トラックドライバーの仕事、「自動車事故を利用したビジネス」など。
貝:雇用が減る側面もあるんだね。。。
鷹:また、こんな物も減ります。臓器提供業者、臓器提供者、刑務所にいる囚人、自治体の財源。
貝:もはや、車と関係なくて、全然意味がわからない。
鷹:事故が減ると減るものは、全部減ることになる。
貝:反対に、増える仕事はないの?
鷹:たくさんあると思うよ。例えば、自動車整備の仕事は増えそうだと、本書では紹介されている。
貝:事故に遭わなくても、整備は必要だもんね。
鷹:そうだね。また、CASEやマーズなどの新しい発想も、世の中では出てきている。今では想像もできないような職業ができるかもしれないね。
貝:Youtuberみたいにね。
鷹:そうだね。編集長も密かにその地位を狙っているらしいよ。
貝:なるホロ。編集長レス社会を目指そう。
鷹:そうしよう。そうしよう。
貝:それでは、しっタカくんてき行動ポイントを教えて。
鷹:はい。本書を読んで、自分の生活に生かせる点として、最も重要だと思ったことは、「受け入れる」ということ。馬車が自動車に切り替わったように、自動車が自動運転に切り替わる未来が来そうだけど、それを受け入れることって、なかなか難しそうだよね。
貝:私も、急に、陸で生活しなさい、って言われたら、ちょっと受け入れられない。
鷹:まずは、ドライバーレス社会が来そう、という現実を受け止めて、現象を理解することから、始めると良いと思うよ。
貝:編集長も、何か始めたのかな?
鷹:編集長はYoutubeを始めました。本業が車に関係する仕事だから、Youtubeで情報発信することで、もっとモビリティーについて、詳しくなりたいって言ってた。
貝:そうだったね。
鷹:今日は、「ドライバーレス革命」についてご紹介しました。
貝:内容の補足は、ブログでもしてくれるみたいだね。
鷹:そうだね。ブログに、今回の内容の補足説明を載せるよ。
貝:それでは、またお会いするひまで、
鷹:またねー
貝:またねぇぇー
編集後期
編集部でも、このようなテクノロジーの流れの本質を理解するために、自分で最新テクノロジーを使ってみる、といった行動を取りたいと思います。 さっそく今夜はUBER eatsを使おうかなぁー。
以上、知ったかの森チャンネル編集長より。